お知らせ


2023.03.16



曽代用水 〜領土を超えた、農家の願いと水路〜


 曽代用水は、清流長良川から取水し、岐阜県関市〜美濃市の農地約1,000haを潤す幹線延長約17kmの農業用水路です。

 江戸時代初期の寛文3年(1663年)、この地に移住してきた尾張藩の喜田吉右衛門(きだきちえもん)と弟の林幽閑(はやしゆうかん)は水不足の現状を見かね、地元で造り酒屋を営んでいた柴山伊兵衛(しばやまいへえ)と相談し、長良川から水を引く計画を立てました。三氏は私財のすべてを使い果たし、7年の歳月を経てようやく完成させました。

 本用水は、建設から約350年が経過した現在でも、地域の農業を支える重要な施設となっています。また、曽代用水への誇りと愛着を深めるため、地元の小学生に用水の役割や、先人の功績・歴史などを学んでいただく出前授業などの取り組みを進めています。

世界かんがい施設遺産とは?


 

 建設から100年以上経過し、かんがい農業の発展に貢献したもの、卓越した技術により建設されたもの等、歴史的・技術的・社会的価値のあるかんがい施設を登録するために、国際かんがい排水委員会(ICID)が2014年に創設した制度です。

 

 曽代用水は、約350年にわたって農業の発展に寄与してきたことや、江戸時代に農家主導で建設されたという全国的に

      も珍しい用水であることが評価され、平成27年10月に岐阜県での登録第一号となりました。

曽代用水アクセス